ちょうど1年前、国立西洋美術館でルーベンス展を見たのですが、その時から次年開催の【ハプスブルグ展】を楽しみにしておりました。ようやく雪のちらつく昨日、見に行くことが叶いました。
中世から20世紀初頭まで長きにわたり、血縁制度を利用した政略結婚により中部ヨーロッパで強大な勢力と広大な領地を誇っていた大貴族がハプスブルグ家です。
今回の目玉はメインビジュアルにもなっているディエゴ・ベラスケス『青いドレスの王女マルガリータ・テレサ』でしょうか。
フェリペ4世はマルガリータをとくに可愛がり、宮廷画家たちに多くの肖像画を描かせたそうで、そのうちの2枚が今回展示されておりました。幼いうちから一国を支える「女王」の座につくことを期待され、弟が誕生すれば「高貴な青い血」を守るために叔父の元へと嫁がされ、6回目の出産で21歳で命を落とした悲劇のスペイン・ハプスブルグ家最後の王女。
そして、美貌の女流宮廷画家エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランの描くマリーアントワネット。
ルブランはマリーアントワネットの寵愛を受け、わずか23歳にして稀代の肖像画家としての名声を欲しいままにします。
はじめて肉眼で見ましたが、なるほど優しくロマンティックな画風は女流画家ならではですね。とても23歳で描いたとは思えない力量に感動いたしました。
最後にヨーゼフ・ホラチェク《薄い青のドレスの皇后エリザベト》
オーストリア帝国の最後の皇后エリザベート。18歳で即位して以来、68年もの長きにわたって在位したハプスブルク家『最後の皇帝』フランツ・ヨーゼフ1世に見初められ波乱万丈の人生を送るエリザベートの美しさを余すところなくキャンバスに写し取ってました。
オーストリアと日本の国交樹立150周年を記念して、世界屈指と言われるハプスブルク家のコレクションはほかにもたくさんの名作が目白押しでございました。
600年にわたる帝国コレクション見られるのは1/26まです。ご興味ある方は急いでください! (imaoka)